マルコス・ヴァーリ

リオン・ウェアの記事ほか、何度かその名を出していたはず。

マルコス・ヴァーリ。ブラジルのボサノヴァ系シンガー・ソングライターである。知ったきっかけは、やっぱりリオン・ウェアだった(笑) リオンのアルバム聴いて、マルコスとリオンの共作した曲が特にいいなと感じたもんで、「どんな人なんだろ??」って気になり始めた。

このマルコス・ヴァーリって人は、私が最も好きなブラジルのミュージシャンの1人で、ジョイスやエドゥ・ロボなどと同じくボサノヴァ第2世代に括られる。特に最初に買ったアルバム“サンバ'68”はよーく聴きました。当ブログによくコメをくださるある女性がこのジャケを見て「ロシアのアイドルみたい」と言ったのは笑った(^O^) これ、どんなタイミングで買ったんだっけなァ?好きなアルバムはどこでどう買ったのか大体覚えているんだけど、このアルバムはどうも思い出せない。渋谷の外資系CDショップあたりだったと思うが、定かでない 買った時期は2000年くらいだったと思う。当時都内のアパートに引っ越して、天気のいい休日の午後に、これかけながらフローリング床に大の字になってボケーっとしていた記憶がある。あの音はそんなシチュエイションがえらいマッチしてたんだよな。床の陽だまり、なんの用事もない午後、手元にコーヒー・・・と。私にとっては超GOODなイージー・リスニングだった。

この“サンバ'68”に収録されているいくつかの曲・・・“クリケッツ・シングス・フォー・アナマリア(Os Grilos)”、“サマー・サンバ”、“バトゥカーダ”あたりはボサノヴァのスタンダードと化している。特に“サマー・サンバ”と“バトゥカーダ”なんてどんだけカヴァー聴いたかわからんわ。前者はワルター・ワンダレイのオルガンのヴァージョンで有名。後者はbirdのヴァージョンがなんかのCMで使われてたっけ。だがこのアルバムを買った当時はボサノヴァに対してそこまで知識はなくて、マルコス・ヴァーリがブラジルでも屈指のソングライターだと知ったのもさほど前のことではない。調べるうちに「こんなすげー人だったんだ」と納得した次第。ただ、聴いていてひたすら気分がいいとは思ってはいた。でも音楽ってそこが重要なとこなんだけどね。

ボサノヴァにはアントニオ・カルロス・ジョビンという巨人の中の巨人がいるが、マルコスの作風はぶっちゃけジョビンほど洗練されてはいない。ジョビンには恐ろしいくらいの才能を感じるけど、マルコスの作風はもっとキャッチーで庶民派(?)な空気がある。ボサノヴァの歴史的名曲でジョビンの代表作でもある“イパネマの娘”とマルコスの代表作“サマー・サンバ”を比べてみると、“イパネマの娘”はBメロの転調などに優美なペイソスを感じるが、“サマー・サンバ”はわかり易くて親しみやすさを感じる。またどれをとっても名曲ばかりのジョビンに対し、マルコスはアルバム丸ごとだとちょっと…って作品もある(笑) でも上述の“サンバ'68”は、どれをとっても◎。マルコスのアルバムは5~6枚聴いたものの、やっぱこの“サンバ'68”以上のものはなかった。どれもスタンダードになりそうな粒ぞろいの楽曲ばかり。なんかマルコスの楽曲って、ジョビンより躍動感があるものが多いね。かっこよさを感じるな。そのかっこよさを拡大して色んな人が“バトゥカーダ”や“クリケッツ・シングス・フォー・アナマリア”なんかをやっている。“クリケッツ・・・”なんか、元スパイス・ガールズのエマ・バントンがやってたよ(笑) しかもオリジナルにかなり忠実なアレンジで。“バトゥカーダ”に至っては本家マルコスより秀逸なヴァージョンがいくつも存在する。アメリカで制作された“サンバ'68”は英語で歌っているけど、マルコス・ヴァーリはブラジル人なので、正調は当然ポルトガル語。故にカヴァーもポルトガル語のものが多い。でもやっぱポルトガル語の方が語感的にかっこいいよね。

この“サンバ'68”なんだけど、アレンジはエウミール・デオダート。あの“摩天楼”の作者である。彼は70年代以降のCTI系クロスオーヴァーで有名だけど、元々はボサノヴァ系の人だったのである。だからボサノヴァでも“バイアォンジーニョ”という名曲を残している。これがほんといい曲なんで、機会があれば一聴されたい。“サンバ'68”がなんで超GOODなイージー・リスニングに成り得たかというと、デオダートのアレンジの妙なんだよね。楽曲がいいのはもちろんのこと、あのアレンジだからのんびりと午後の陽だまりでコーヒーを楽しめるのだ。

マルコスも最近ではちょこちょこ来日してブルーノートあたりで演っているみたいだけど、それってきっとクラブ寄りのリスナーの間でブラジル系が静かに流行った影響もあるんだろう。ここ何年かのマルコスの作品は、かなりクラブ受けするようなカラーになっており、私が持っているうちの“エスケイプ”と“ノヴァ・ボサノヴァ”という近年作2枚もモロにクラブな音だったりする。最近はスキャットの曲が増えたね。詞を作るのが面倒なんだと見た(大笑)

てなワケで、YouTubeに転がってたマルコス2曲
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サンバ’68
ユニバーサルミュージック
2010-05-12
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この記事へのコメント

ペケタン
2011年07月16日 00:15
サンバ68持ってます。いつどこで買ったか覚えがないけど...借りっぱなしか?

ロシアのアイドル、言われてみると妙に納得。何とかノフ、何とかスキーって名前が本名じゃないかと思えてしまう。

ボサの入門にはもってこいなロシアのアイドルですな。ロシアだから頑張っても入門なのか、とすら思えてきたぞ...。


久しぶりに引っ張り出して聴いてみようかな。
jin
2011年07月16日 01:19
う~ん マルコス・ヴァーリ シブイっす!
私もMarcos Valleはレオン・ウェアつながりで知りました。
これなんてモロ レオンですよね。
Tapa no Real
http://www.youtube.com/watch?v=4yLu49ku49o
(エレピフェチの私にとってはですが)
かなりエレピ度が高いブラジリアンミュージックとしてポイント高いです~。
"Previsão do Tempo"(1973年)なんかのエレピフレーバー好きでたまに聴いたりしてます。
2011年07月17日 05:50
うをー☆ ペケタンさん、“サンバ'68”持ってたんですか。ボサノヴァもお好きだったとは、いよいよ私とハナシが合いそうです(笑) 初期マルコスのアルバムは他にも数枚持ってますが、やっぱ“サンバ'68”が1番聴いてて気分いいですね。しかし彼も色んな方向に手を出しますよね。ボサ、MPB、AOR、クラブ・・と(笑)

“サンバ'68”なんですが、あれで全編ポルトガル語でやってくれたらもっとよかったかな、なんて最近思います。ビミョーにコマーシャルな感じがしちゃうんですな、英語だと
2011年07月17日 06:12
jinさん、ご紹介のYouTubeの曲・・おっしゃる通りリオン・ウェアな感じですね(笑) マルコスAOR時代の曲ですね。何故かマルコスのあの辺のアルバムは攻めてないんですわ。あのエレピ、ヤマハのCP-80かな?あの頃の音ではあちこちで耳にしますね。ジョージ・デュークとか。時代を感じる音です。

あ、あとリンクどうもありがとうございます 音楽制作やってたんですね~。私も一時やろうと思いローランドのVMシリーズの卓買っていじくってたんですけど、難しくって売っちゃいましたワ(大笑!) ギター参加ついてはごカンベンを!私は自分のギターが嫌いになってやめた人間ですから。しかも10年くらいまっったくいじってないので、コードすら忘れてますもんで・・(T_T)

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